町指定有形民俗文化財

     
は ら ほ げ 地蔵  芦辺町八幡浦


     


 海中に祀られた六体の地蔵です。胸のところに丸い穴があいているの
で、ハラホゲ地蔵と呼ばれています。六体とも最初は頭がありましたが、
今では折れて自然石が載せてあります。
 海岸埋め立てのために数度移転され、一度は陸に移されましたが、海
に入れてくれとのお告げがあって、また海に遷したということです。
 胸に穴があるのは、供物をあげるためのものらしいといわれています。
昔は干潮時に浜へ降りて拝んでいましたが、満潮になると頭上までかく
れ、供物が流れるので、この穴にあげたようです。
 満潮時には陸から拝まれるように祭り場があります。
 昭和48年に海岸埋立てのため、漁協の裏の海中に移転されましたが、
その折土地を掘り返したところ、地蔵尊の御足は30p四方余りの石が
作りつけになっていて、別の台石をそれがはまるように刻りこんであり
ました。地蔵をこの石にはめこんで縁のすき間を楔で締めれば安定する
わけで、よく考えて造られています。
 台座の下に入れてあった自然石一個の表面に右掌の形を彫り、上に
「四国」という文字を彫ったものがありましたが、これは手を患った人
が祈願又は、願成就のために奉納したものと思われます。
 この地蔵は、海難者の霊を祀ったか、或いは、この付近は鯨の納屋が
あったので、鯨の供養のために建立したものと言われています。

 地蔵の高さ 向かって右から
 総高 84センチメートル
  〃 95センチメートル
  〃 102センチメートル
  〃 100センチメートル
  〃 109センチメートル
  〃 107センチメートル


      
      芦辺町の文化財