「椿夢街道づくり」発進
壱岐に自生している「やぶ椿」は、古来より壱岐の自然を彩り、また、
種子から採れる油は、食用や理容等に使われ、又、業者に売却して経済生
活の一端を支えたりしていました。
長崎県は「ツバキを県指定の花木」としています。県内には、これで町
興しをしているところもあります。
しかし、壱岐では、近年、この「やぶ椿」に対する関心が、薄れていま
す。そこで、芦辺町林業研究同志会(13年度会員は62名)は活動の一環と
して、「やぶ椿」に対する島民の認識を高め、「やぶ椿」を愛護し、育て
る運動を展開することにしました。
先ず、壱岐の島新春マラソンに合わせて、「やぶ椿」の記念植樹を
「椿夢街道」づくりという標題を掲げて実施し、次に田河中学校の卒
業記念植樹の樹種に選定してもらい、最近のイベントの中では最大級の
「元寇720年記念事業」で、「やぶ椿」の記念植樹を林研が担当し
ました。
今後も、他のイベントなどの植樹の樹種には、「やぶ椿」を選定して
もらい、広く「やぶ椿」を愛護し、育てる運動を進めて行きます。
※
壱岐の島の「やぶ椿」は、至る所に自生しています。
色は、赤、白、ピンク、赤紫もあり、又、小さな細い椿もあります。
椿は、芦辺町の花木、勝本町の林木としても指定されています。
(2001・6・2)
「椿夢街道」づくりの植樹式で挨拶をする大皿川惠芦辺町長・右は有森選手
壱岐の島「椿夢街道」発進 おめでとう
壱岐の島「椿夢街道」づくり実行委員会委員長
芦辺町長 大 皿 川 惠
21世紀の幕開けを告げる2001年1月。動のイベント「新春マラソ
ンと前後して、静のイベント「椿夢街道」づくりの記念植樹をねオリンピ
ックランナー有森裕子選手をお招きして、133名の皆さんにご協力を頂
き、盛会裡に開催できますこの感動を、皆さんとともに分かち合いたいと
思います。
21世紀は「心の時代」とも言われています。本日の「椿夢街道」づく
りは、正に、そう言った時代にふさわしいイベントと言えると思います。
自分の植えた1本の椿には、愛着があり、必ずその1本の椿との対話のた
めにそこを訪れます。10年経ったら約2000人の人達が、この「椿夢
街道」に集います。人が集えばお互いの交流が広がります。人にやさしい
道路づくりに向けて、美しい壱岐の自然の中で、21世紀の「自らの木」
を植えようではありませんか。そして、この椿がしっかりと大地に根を張
って、スクスクと大空に伸びていくことを祈りながら。
(「椿夢街道」づくりの植樹式のパンフレットより)
壱 岐 を「椿」の 島 に !
芦辺町林業研究同志会役員
元県農林試験場研究員 市 岡 賢
壱岐の島は、嵐にもまれ、潮風にさらされ、きびしい自然の中に育ちな
がら、極めて強く、緑濃き光沢ある葉につつまれて、早春には真っ赤な花
を立派に咲かせてくれるたくましい生命力は「やぶ椿」ならではの強味で
あると思われます。そこで、この「やぶ椿」について、壱岐なりの保護育
成を、強く訴えてみたいと思います。
まず第一に、島内に自生する椿をいたずらに伐採することなく、大切に
残しておくように心すべきであろうと思います。椿は県花であり、県内各
地至るところに数多く育っているからこそ、県の代表的花木とされている
のです。
有名な伊豆半島の椿、県内では五島、平戸、壱岐、対馬と比較的恵まれ
ない気象条件下の中で育つのは椿ではないでしょうか。このような条件
が、山陰型気象に近い韓国釜山、済州島方面にも椿が多いのです。こうし
た条件下の壱岐には、『椿こそ最も適した花木である』と思います。
そこで、島内のどこか適当な地に椿の森がほしいものと頭から離れませ
ん。例えば、1ヘクタール程度のまとまった椿の森や、山全体が椿という
ような椿山を設けることが出来ればと、夢を持ち続ける一人です。この夢
の実現するためには、今日から、その基礎をつくり、35,000人で
「やぶ椿」を育てて行くことを、次の世代に引き継いでいくことではない
でしょうか。 (「椿夢街道」づくりのパンフレットより)
育てよう!壱岐のやぶ椿(トップページ)
●「かていし」のこと(寄稿) ●「やぶ椿」植樹事例1(「椿夢街道」1)
●「やぶ椿」植樹事例2(田河中) ●「やぶ椿」植樹事例3(元寇記念1)
●「やぶ椿」植樹事例4(ふる里訪問) ●「やぶ椿」植樹事例5(那賀中)
●「やぶ椿」植樹事例6(元寇記念2) ●やぶ椿」植樹事例7(箱崎中)
●「やぶ椿」植樹事例8(「椿夢街道」2)