山内正志氏は、退職後は多くの役職に就かれ、特に「島の科学」事務
局長として、地質・植物に関する専門分野などに広く活躍されています。
氏が現職時代に、「壱岐椿協会」の会報『椿だより』(平成元年2月5
日号)に投稿されたものがありましたので、許諾を得て転載します。
(平成13年2月)
中 学 生 と 椿
―アンケートに見られる関心度―
元石田中学校長 山 内 正 志
椿について、深い知識も、これといった実践もしておりませんので、
これから会員みなさまのご指導を受けねばなりません。栽培種、園芸品等
は全くわかりませんが、荒海から吹き上げる潮風や冬の寒風にも耐えて、
その葉はあくまで緑濃く、目にしみる紅色の花をつけて、耕地や民家を保
護し、一方では、林内深くあって細長く伸長した枝先に小さめの暗赤色の
花をつけているヤブツバキが好きであります。
子供の頃、竹製のひっかけ竿を使って「カテシの実」を取り、庭いっぱ
い干して、祖母と一緒に住吉前触にあった油しめ屋さんに行った記憶があ
ります。
私は、松浦市の御厨中に在勤中、当時の教頭先生と二人で、北松、田
平、平戸一帯のヤブツバキを調べてまわりました。そして、理科室の裏に
赤土を用意して、七〜八月の土用ざしで、かなり多量に苗を育てて生徒に
与えました。
壱岐を椿の島に、と願う会員みなさまの熱意に対し敬意を表します。椿
は県花であり、壱岐の気候風土も椿の生育欲求条件を満たすに十分であ
り、異議のないところです。
しかし、その実現には、すでに諸氏のご指摘の通り難問が山積みしてお
ります。ただ,はっきりしていることは、長い年月を必要とすること、将
来に向けて継続していかなければなりません。そのためには、椿の良さを
理解して椿を愛し続けてくれる人材を育てていくことが大切です。とすれ
ば、今の若い層、とりわけ小中学生への啓蒙が必要でありましょう。
ここに、私が中学一年生に実施した興味深いアンケートの結果がありま
す。本郡椿協会の、今後の活動の参考資料にでもなれば幸いです。
○椿に関するアンケート結果(中学1年生・男女92名)昭和63年
1.椿という植物を知っていますか。 知っている 86%
知らない 14%
2.壱岐の島に椿はあるでしょうか。 あ る 100%
な い 0%
3.あなたの家の近くにありますか。 あ る 37%
な い 63%
4.花の色は何色ですか。 赤 84% 白 8%
その他 8%
5.「かてしの実」を知っていますか。 知っている 37%
知らない 63%
6.「かてしの実」から何が取れますか。 つばき油 30%
知らない 70%
7.県花に指定されていることを 知っている 10%
知っていましたか。 知らない 90%
8.壱岐を美しい島にするために、何を植えたらよいでしょうか。
1位 サクラ(桜) 11位 モモ
2 チューリップ 12 タンポポ
3 ウメ(梅) 13 菜の花
4 ヒマワリ 14 クリ
5 松 15 キリ
6 菊 16 レンゲ
7 バラ 17 ユリ
8 ツバキ 18 スズラン
9 モミジ 19 バナナ
10 スイセン 20 キンモクセイ
その他 7種
※椿は、やっと8位。しかもごくわずかの生徒でした。
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