芦辺町ミレニアム記念事業
 心を繋ぐ2地点間交流事業の主旨・内容

  (2000年3月定例議会  芦辺町・大皿川惠町長施政方針より)

 今年は西暦二〇〇〇年。ミレニアム(千年紀)の節目の年です。悠久の
歴史の流れにも、人それぞれ特別の感慨をお持ちではないかと存じます。
 さて、本記念事業は、
兵庫県和田山町において起こった元文一揆(元
文三年・1738年)により、壱岐の島へ流罪となった「
小山弥兵衛」を
題材とした創作ミュージカル(歌劇)の公演を実施しようとするものです。
 御承知のとおり、「小山弥兵衛」の墓は、現在、暦応寺(箱崎本村触・
廃寺)跡裏山にあり、昭和五十四年四月一日、町指定の史跡として文化財
となっております。「小山弥兵衛」の出身地・和田山町の
野村地区の住民
との間において、太い絆が結ばれるに至り民間交流が始まり、本町として
も平成六年頃から関わりを持つようになった次第であります。
 和田山町では、昨年十一月、
孫娘の「心諒尼」が農民一揆で流人となっ
た祖父「弥兵衛」を訪ねて遠い壱岐の島までひとり旅をしたという事実に
基づき、人間として最も尊厳ある基本的な「孝行」を命がけで全うした美
談が語り継がれているものをミュージカル「
心を繋ぐ子守唄」(文化庁助
成事業)として創作・公演が行われたところです。児童生徒の情操教育の
一環にも位置づけを行い、かつ、こうした両町の友好の輪を広げ深める上
からも、芸術・文化の香りが高い今回の公演を成功させ、活発な民間によ
る文化・スポーツ・イベント交流をはじめ、各種地域間交流及び住民相互
の研修の機会等を通して、交流人口の増大と
姉妹町村締結をも視野入れ
て実施しようとするものでございます。
 事業費1200万円を予定しております。


     芦辺町主催・県豊かなしまづくり事業   
         
ミュージカル
    
心を繋ぐ子守り唄心諒尼物語
    公演 期日 2000年10月8日6時半開演
     場  所 郷ノ浦町文化ホール

        
心諒尼は壱岐に向かって歩いた
         夢の中の子守唄に導かれ
       心諒尼は壱岐に向かって歩いた
        未だ見ぬ捕らわれの祖父に逢うためにー
      
日本人の心を謳い上げた
      感動のミュージカル!
     
作・昨曲・演出/高井良純        
出演/日本ミュージカル研究会・但馬ミュージカル研究会

平成十一年度文化庁芸術祭参加作品・昨年秋、和田山町をはじめ、関西各地で上演し、好評。

        あ ら す じ

 時は元文三年(1738年)、兵庫県但馬にあった実話。
 当時、天候不順で凶作が続き、農民たちのくらしは困窮
していた。
 その上、代官は生野銀山で働く坑夫の食糧を確保するた
め、厳しく年貢を取り立て、農民たちを一層苦境に追いや
っていた。
 これに心を痛めていた小山弥兵衛らは、農民たちの不穏
な動きを鎮めようとするが、怒れる農民たちは、遂に一揆
へと突っ走ってしまう。結局、一揆勢は代官の策略にはま
り、弥兵衛らは捕まり、壱岐の島に遠島という無惨な結果
に終わる。
 島流しとなった弥兵衛は、遠く離れた家族のことを案じ
ながらも、壱岐においては島民のためによく働き島の発展
に尽くす。
 一方、弥兵衛の孫娘は、両親から歌いつがれた子守唄を
きずなに、尼(心諒尼)となって壱岐に渡り、おじいさん
を慰めたいと一人旅を決意する。当時は罪人を訪ねること
は御法度(禁制)、また、尼といえども女の一人旅も危
険。そこで男僧の姿で出発する。
 旅はいろいろな困難と遭遇し、やっと博多までたどりつ
くが玄海灘を前に力尽き倒れてしまう。
 その時、おじいさんに会いたいという心諒尼の必死の思
いが天に通じたのか、僧たちの荘厳な般若心経の読経に導
かれて壱岐の島に渡ることができた。
 思いがけない孫娘の出現に喜ぶ弥兵衛。
 二人の歌う三代の心を繋ぐ子守唄は壱岐の島にこだます
る。

          芦辺町・和田山町交流事業(トップ)

「野村の歴史・野村の昔と心諒尼」

●「
流人小山弥兵衛と その末裔たちとの出会い

交流事業1 ミュージカル「心を繋ぐ子守唄―心諒尼物語」公演

交流事業2 法宝寺の楠の曾孫生の記念植樹(箱崎小学校校庭)

交流事業3 芦辺町議員団 和田山町訪問